割と雑食な方だと思います。手当たりしだい気になったら読んでいます。
昨日ねむれなくって夜少し読んだ本についてかこうかなあと思ったんですが、いわゆるボーイズラブのジャンルなもんで、たたみます。逃げて! 今すぐ逃げて!

そんなにたくさんは読まないんですけども、幾人かいわゆる作家買いをしている方がいらっしゃいまして、そのうちの一人。
絵がねえ、ざかざかしててすごく好きなんです。

宇田川町で待っててよ。 (Feelコミックス オンブルー)

宇田川町で待っててよ。 (Feelコミックス オンブルー)

女装男子のお話です。「こんなかわいい子が女の子のはずがない」の女の娘ではなくて、もう見るからにゴッツイ。ふくらはぎとか男の人。身長も大きいし。
クラスでも人気ものの(いわゆるリア充)グループにいる八代くんは女装をしてお出かけするのが趣味で、渋谷(宇田川町)をうろうろしていたらクラスメイトの百瀬くんに見つかってしまい……という話です。

八代くんはもともとトランスジェンダーの気があったんだと思います。
百瀬くんがその風貌とは裏腹に押せ押せの押しまくりでくるものだから、かわいいっていっぱいいってくれるものだから、中盤あたりで「女の服を着ていると俺に抵抗できない」って百瀬くんのモノローグであるんですけど、次第に女装してなくても抵抗できなくなっちゃってね。ね!

途中でナンパされるシーンがあったけど、それがトリガーなんだけども、どう見てもほんとに八代くんはいわゆる女の子みたい! っていえるような風貌ではなくって、自己流でメイクだったりしてるもんだから、ようく見たら男だってばれちゃうレベル。
かわいくないけど百瀬くんからしたらかわいくてしょうがない。女装しているときとしていないときの、ギャップがたまらなくて、かわいくてしょうがない。
最初の頃は気付いてなかった、もしくは気付いていて見ていない振りをしていた、八代くんの本当の気持ちが、

「やわい肌 愛されワンピに 無敵のパンプス
本当は もうずっと前から とらわれていた
男に組み敷かれて あえぐあっち側に」

百瀬くんに引っ張り出されちゃった。
この話自体は2人の恋が本当に始まるところで終わるので、八代くんの中の押し込めてた欲望が開花するお話なんだなあ。
誰にもいえなかった秘密のことも丸ごとひっくるめて体当たりで好きだって言ってくれる相手を受け入れたけど拒絶して、爆発しちゃうあたりの展開がすごくせつなくってヒーってなります。

百瀬くんは最初っから最後までぶれないでいて、まあ正直女装してるだけだし女子が好きだしまだ俺大丈夫戻れるって思ってた八代くんを奈落に突き落とした男でですねえもうねえ!(笑)
だってもうさあ八代くんは自分より百瀬くんの方が体が大きいってきゅんとしちゃってて、もうその時点で実は戻れるわけないんだよだめなんだよ……!

秀良子さんの書く繊細な男子のねじくれっぷりがすごくいーっとなります。
これ最初よんだときんん? ってなって何度か読んでうわーってなりました。
八代くんの倒錯ぶりと、繊細さと、徐々に女装なしで、素のままなのに百瀬くんの前では中身が女の子になっちゃっていくところがぞくぞくします。
これ細かいくくりで言うとボーイズラブじゃない気がする。
はーまとまらなくなってきた。うん、これすごくずしっときて、すきなんです。
ウフフでもしっかりセックスシーンあるから普通の人にはおすすめできません!(笑)




この作家さんとであったきっかけのジャケ買いしたのはこれ。

リンゴに蜂蜜 (マーブルコミックス)

リンゴに蜂蜜 (マーブルコミックス)

彼のバラ色の人生 (マーブルコミックス)

彼のバラ色の人生 (マーブルコミックス)

ゆるふわヘアのめがねくんと黒髪つり目の年下くんって組み合わせは卑怯です…。